フジクラ（5803）は現在、生成AIブームを背景とした「データセンター特需」のど真ん中にあり、業績・株価ともに歴史的な絶好調期を迎えています。
2025年12月現在の最新状況と、今後の動向を整理しました。
1. 今期の状況：過去最高益を大幅更新中 🚀
2026年3月期（今期）は、まさに「フジクラの年」と言えるほどの躍進を見せています。
- 相次ぐ上方修正： 2025年11月の決算発表で、今期の業績予想を2度目の上方修正しました。売上高1.1兆円、純利益1,320億円と、純利益が同社史上初めて1,000億円の大台を突破する見通しです。
- 配当の大幅増額： 業績絶好調を受け、年間配当を当初予想から大幅に引き上げ、1株あたり190円（前期比で約3.5倍）に増額しました。
- 利益率の劇的な改善： かつての「低収益な電線メーカー」から脱却し、高付加価値製品へのシフトに成功。ROE（自己資本利益率）は**28.9%**という驚異的な水準に達する見込みです。
2. なぜ「フジクラ一人勝ち」なのか？（強みの源泉）💎
世界中のデータセンターで、フジクラの**「SWR/WTC」**という特殊な光ファイバケーブルが爆発的に売れています。
- 超高密度・細径化： AIデータセンターは膨大な通信が必要ですが、建物のスペースには限りがあります。フジクラのケーブルは、世界トップクラスの細さで従来の数倍のファイバを収容できるため、**「配管を替えずに通信容量を増やせる」**唯一無二の解決策となっています。
- 施工の圧倒的速さ： 特殊な構造により、現場での接続作業時間を大幅に短縮できます。人手不足が深刻な海外の建設現場で、この「速さ」が決定的な差別化要因となっています。
3. 今後の動向：さらなる成長への布石 📈
「AIブームは一時的か？」という懸念に対し、フジクラは強気な投資を加速させています。
- 次世代工場の建設： 2025年8月に、光ファイバとSWRの次世代製造工場の新設を決定しました。これは数年先の需要増を見越した攻めの投資であり、中長期的な供給能力の拡大を狙っています。
- 電力網（パワーグリッド）の更新需要： データセンターの爆増により、電力供給そのものが世界的な課題となっています。老朽化した送電網の更新や、電線の地中化に関連する需要も、もう一つの大きな柱として成長が期待されています。
- 2025中期経営計画の達成： 現在、中期経営計画の目標を前倒しで達成するペースで進んでおり、次期計画（2026年〜）ではさらに高いステージを目指すことが予想されます。
4. 投資としての注目ポイントとリスク
- 株価の過熱感と金利リスク： 2025年に入り株価は急騰しており、12月に入ってからは一部で「利益確定売り」や、日銀の利上げ観測による調整も見られます。
- アナリストの評価： 依然として多くの証券アナリストが「強気」を維持しており、目標株価を20,000円超に設定する動きも出ています。
まとめ： フジクラは今や単なる電線会社ではなく、**「AI時代の神経網を作るインフラ企業」**へと変貌しました。短期的には株価の激しい動き（ボラティリティ）に注意が必要ですが、AI需要が続く限り、その主役の座は揺るぎそうにありません。
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